http://www.be.asahi.com/20031213/W12/0022.html

12月1日からミラノで地球温暖化防止のための会議が開催され、ロシアが京都議定書を批准するかどうかが一つの焦点になった。ロシアの政府関係者からも、批准しない、いや批准する、といった矛盾する発言が飛び出し、何やら駆け引きが行われたらしい。すでにアメリカも抜けたし、ロシアが批准しなければ京都議定書はほぼご破算か、大きな見直しを余儀なくされる。
ただぼくは、ヘタをするとそのほうがいいんじゃないかと思うのだ。だって、いまのやつに本当に意味があるのか、ずいぶん疑問だもの。
多くの人は、いまあちこちで論じられているのは温暖化を止める話だと思っている。二酸化炭素が増えると地球温暖化が進行する。だから二酸化炭素排出を減らせば、温暖化が止まる。この議論はとっても明快に思える。でも、実はこの最後の部分にはごまかしがある。温暖化は止まるわけじゃないのだ。
まず二酸化炭素の排出は、そもそもゼロになんかできない。せいぜい横ばいか、よくてちょっと下げるくらい。だからいままでの温暖化はそのまま続く。さらに京都議定書に従って先進国が横ばいにしても、いまの仕組みだと、途上国――これから経済発展して大量の二酸化炭素を出すところ――は規制を受けない。だから全体として排出量の増加がちょっとゆっくりになるだけ。温暖化自体はせいぜい数年遅れるだけとされる。
そしてそのためのコストはすさまじい。日本がここ10年の景気停滞でいかに苦しんでいることか。京都議定書の排出規制は、それを世界中に強制しろという話に近い。それだけ苦労して実現するのは数年の時間稼ぎ――これって本当に意味あるの?
地球温暖化議論のベースになっている、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による将来シナリオの深刻な問題点も指摘されつつある。まず、採用された為替換算方法では、現在の途上国の経済活動見積もりがえらく過小になる。そして途上国の経済成長見通しが異様に高い。21世紀末には、ほとんどの途上国はアメリカより一人当たり所得が高くなるというとんでもない想定だ。結果として今後1世紀の排出増加(ひいては温暖化)はすさまじく過大に見積もられているという。こんな数字をもとに、地球の将来を決めていいのか?
もちろん温暖化自体は確実に起きているし、それを抑える努力をするのは結構。過大な見積もりであおるのはアレだけど、それで世界的な枠組みができたんだから有効に使えばいい。ただ、本当にいま提案されているものが意味あるのか、京都からずいぶん時間もたったし、見直してもいいんじゃないか。見積もりをし直せば温暖化見通しは下がるし、必要な対策だってもっと小さくてすむ。そうしたらアメリカだって入りやすくなって、結果的にずっと成果が高まる可能性だってある。
今回の会議では、京都の「次」も議題になったとか。でも、次の話をする前に、まず前提から見直すべきじゃないか。どうせ地球温暖化なんて100年単位の話なんだから、1年かそこらの遅れは大したことはないんだし、せいてもいいことは何もないぞ。
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投稿者: texas holdem | 投稿日時: 2004年11月25日 23:22