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滋賀県大津市の北部にある仰木という集落は里山の景観が残っている。そんな里山にある雑木林の手入れを3年前より京都のデザイン学校が地元の人々と共に取り組んでいる。今年は学生303人、スタッフ65人の合計368人が参加して11月に4回活動を行った。
里山にある雑木林は、昭和30年代に始まる燃料や肥料の石油原料への転換や農業生産基盤、従業者構造の変化などにより、その役割の後退を余儀なくされた。多くの里山の雑木林は、省みられず放置されているか、都市の人々の住む宅地やゴルフ場に変貌される現状にある。日本人のふるさととしての原風景が消えようとしているのだ。
3年前より京都芸術デザイン専門学校と地元の逢坂生産森林組合とが協力して里山の雑木林の復活の活動を始めた。学校側は学生が自然の中でデザイナーとしての感性を磨いてほしいと期待している。過去2年間で学生約900人が参加した。
今年は11月に15、16、29、30日の4日間行った。29日は雨で雑木林の活動が出来なかったため、代わりに地元の方から里山の暮らしの話を聞いた。
比叡山を水源に琵琶湖へと流れていく天神川に沿って、美しい棚田の景観が広がっている。その棚田の上に位置しているのが今回手入れした雑木林の尾根で広さは40ヘクタールある。雑木林は笹やいろいろな木々で覆いつくされたヤブ山となっている。学生一人一人が、片手にノコギリを持ち、どんぐりの実がなるコナラやクヌギなどの木を残し、間伐していく。ノコギリなど使ったことがなく最初は悪戦苦闘していた学生たちも、最後はうまくノコギリを使いこなし多くの木を伐(き)っていく。
昼食は、地元の棚田で獲れた棚田米のオニギリとみそ汁と漬物を奥さん方が用意してくれる。お米の味は水で決まるという。この棚田米は集落からの生活水は使用されておらず、比叡山からの山水で育った米なのでまずいはずがない。
午前1時間と午後2時間の合計3時間の作業で、雑木林はすっかり姿を変え、陽が差し込み、風通しの良い森になる。木々の間から棚田や遥か向こうには1000メートル級の比良山そして琵琶湖が見渡せるようになる。一仕事終えたという実感を味わえるひと時である。
40ヘクタールの雑木林全ての手入れにあと何年かかるかわからないが、すっかり手入れされると、美しい棚田と雑木林の景観はすばらしいものとなるだろう。
来年以降もこの活動が続いていってほしいものだ。
関連URL:
仰木の里山の四季
http://www.biwa.ne.jp/~dtpex/satoyama/