国民に自然の美しさ体験してもらう目的などで国が選定した「レクリエーションの森」で、遊歩道の分岐点に案内表示がなかったり、遊歩道が荒れるままに放置されるなど、施設の整備や維持管理に「問題あり」とされた事例が、神奈川を含む一都七県の七つの森で計二十七件あることが、総務省の行政評価で分かった。同省は八日までに、「レクの森」の名にふさわしい施設整備や維持管理に意を尽くすよう、林野庁関東森林管理局東京分局に改善点を通知した。
調査対象となったのは、東京分局が管理する四十カ所約一万一千ヘクタールの森のうち▽丹沢自然休養林▽高尾山自然休養林▽城山自然観察教育林−など計七カ所。
総務省の関東管区行政評価局の担当者が、今年八月から十一月にかけてそれぞれの森を歩いて実態を調査したところ、【1】遊歩道の分岐点に誘導標識がない【2】森の入り口に案内表示などがなく、入り口自体が分かりにくい【3】足場の悪い遊歩道に転落防止策が講じられていない−などのケースが計二十七件確認された。
このうち、秦野市と山北町にまたがる丹沢自然休養林(広さ千二百七十八ヘクタール)では▽遊歩道(二俣小丸線)から鍋割山山頂の間に標高差五百メートル間隔で六カ所ある案内表示がさびたり、壊れたりして標高の表示などが読み取れない▽鍋割山山頂の案内図がさび、内容が判読できない▽樹木名を記した名札があるのに該当する樹木がない−三件の事例が「改善の必要あり」と指摘された。
このほか、遊歩道が長期間利用されず、その痕跡すらなくなっているなど、レクの森の管理の基本となる「方針書」の記載と実際の施設の現状が異なるケースが二十九事例あった。このうち丹沢では、遊歩道が草に覆われて路面も荒れ果て、一般のハイカーが利用できない事例など計五件について、改善を求められた。
総務省関東管区行政評価局の担当者は、「最近も千葉県で日帰りハイキングの一行が道に迷って夜を明かし、大騒ぎになったばかり。誘導標識の設置などは利用者の安全性、利便性を考えると不可欠で、早期の整備が必要だ」と話している。