◇バリアフリー、予算、駐車場確保…本格導入には課題
日田市が、国の「くらしのみちゾーン」制度に基づいて始めた交通社会実験「パーク&シップライド」。第1弾として15、16日に観光バス乗り入れによる温泉旅館街(隈地区)の交通混雑解消のため、三隈川対岸の河川敷駐車場から屋形船で観光客を運んだ。ひなまつりがある来年2月中旬には、同じ悩みを抱える観光スポットの豆田地区で一方通行や車両進入制限(想定案)などに取り組む。どちらも本格導入するためには、さまざまな課題が浮上しそうだ。【楢原義則】
■温泉旅館街
◇渡し船に「風情」…観光資源を再発見
駐車場には2日間で大型観光バス8台、中型4台、マイクロ3台が駐車した。本来は遊興目的の屋形船を活用した渡し船実験で、17団体延べ約750人を運んだ。アンケート調査(回答200人)では、約7割が「良かった」と喜び、理由に「水郷(すいきょう)日田らしい」「風情がある」を挙げた。大半が「また乗りたい」と答え、実験目的の一つの「観光資源の再発見」を十分満足させた。
また、ホテル、旅館駐車場へのバスの出入りがなくなり、一般交通の渋滞は見られなかった。
だが、本格導入となると簡単ではない。日田温泉旅館組合(7軒)の諫山吉晴組合長は「乗船場は高齢者に配慮したバリアフリー整備が必要」と指摘した上で、「魅力的な試みだが、通年実施は予算や人手の確保面から無理。梅雨どきや冬風に対する危ぐもある」「年1、2回、観光イベントとしてなら」と話す。
ある女将(おかみ)は「バス運転手は無人の遠隔地や洗車設備がない場所への駐車を嫌う」と思案顔だ。
■豆田地区
◇車両制限など試行−−市、住民に協力呼び掛け
年間50万人の観光客が訪れる。メーンの御幸通りと上町通りは狭く、観光バスなど大型車との離合に一苦労する。特に上町通りは常時混雑しており、観光客や住民はその合間をすり抜ける。昔から一方通行論議があるが、住民、事業主、商店街などそれぞれの思惑が絡み決着はつかぬままだ。
主な実験計画は(1)許可車以外の大型車進入禁止(2)一定の時間帯(期間)のみの一方通行(3)一定の時間帯のみ通行禁止の3案。「観光交通や通過交通の無秩序な進入を抑制し、歩きやすい町を形成する」のが狙いだ。
19日夜、6地区の先頭を切った豆田第2自治会対象の実験説明会。PR不足のためか無視されたのか、出席者はわずかに10人。「車両を排除すれば、商店街は立ち行かない」「観光客の60%を占める高齢者に配慮したプランが欠けている」「住民のコンセンサスを十分得ているか」と厳しい意見が相次いだ。
現行駐車場に加え、大型車用の確保が絶対条件だが、町内にはその余地はない。「遠くては、観光客は歩いて来ない」との心配も。「交通混雑の現況打破のため、まず実験を」との声もある。
このほか、隈地区→中心商店街→豆田地区の回遊性を持たせるため、連絡バスの運用、放置自転車を活用したデポジット制のレンタルサイクル貸し出し、リアルタイムの駐車場情報提供などの実験を実施する方針。
市都市計画課は「問題点などを分析し、今後の施策展開のための実験。住民の意見を聞き、内容を詰める。ぜひ協力を」と呼びかけている。
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■メモ
◇くらしのみちゾーン
一般車両の流入を制限して、身近な道路を歩行者や自転車優先とし、同時に無電柱化や緑化などの環境整備を行い、交通安全の確保と生活環境の質の向上(快適性)を図る国土交通省の制度。今年7月、豆田地区が指定を受けた。県内では、湯布院町に次いで2番目。(毎日新聞)
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投稿者: texas holdem | 投稿日時: 2004年11月25日 18:50