三菱総研 サステナビリティ研究部 主席研究員
佐々木俊治
先日、八戸にある木材チップから紙までの一貫製造工場を見学する機会を得た。
木材チップからの一貫製造プロセスの中では、木材チップの約半分が紙製品として活用されるが、残りの半分についてはパルプ廃液として回収され、有機物を成分としていることから紙製造の燃料として利用されているということである。しかも、パルプ廃液による燃料は、工場で必要とするエネルギーの半分近く賄っているということであり、木材チップからの一貫生産という特性を生かしたエネルギー利用がなされている。
また、同工場では、原料である木材チップに関しても、南米やオーストラリアなどの海外での植林事業を実施し、一部の植林地では本年度から伐採が開始されている。しかも、これらの植林地は、いずれも森林の成長量に見合った量のみを伐採するなど、土壌、水質、野生生物等への配慮がなされた「持続可能な森林経営」のもとで管理されており、将来的には、同工場で使用する木材チップの60〜70%をこれらの植林地からの木材で賄うということである。
同工場の見学で改めて持続可能な事業活動とは何かを考えさせられた。
木材チップから紙までの一貫製造工場を例にとれば、仮に、持続可能な森林経営の基で生産された木材のみを原料チップとして使用し、紙製造プロセスで出るパルプ廃液で全てのエネルギーを賄うことができれば、まさに持続可能な事業活動といえるのではないか。また、このようなプロセスで生産された紙も当然のことながら環境に配慮した製品といえる。もしそうであれば、紙リサイクルの必要性ついては、森林保護ではなく資源有効利用の視点に絞った再検討が求められることになるのではないかということである。
これは今のところイメージとしての話でしかないが、LCA(ライフサイクルアセスメント)などの手法を用いた定量的な分析によって、持続可能な事業活動の実現可能性を裏付けることはできるのであり、今後、紙製造工程だけでなく木材チップの生産、輸送の段階も含めたLCA分析によって絵空事ではなくなるかもしれない。
このたびの製紙工場見学は、企業における今後の環境経営のあり方を改めて考えるよい機会であったが、現在、製紙工場だけでなくあらゆる業種で持続可能な事業活動が求められている。しかし、事業の特性によってその対応方法はそれぞれ異なり、また、一つの事業の中だけでなく業種や分野を越えた対応も必要となる可能性がある。企業が、社会のニーズに合わせていくだけではなく、持続可能な社会を創る原動力としての役割を果たす時代を迎えていることを考えると、様々なオプションの中で、持続可能な事業活動をコンセプトとした新しいビジネスモデルを構築し社会に定着させていくことが、これからの環境経営では必要不可欠になってくるのではなかろうか。
投稿者: @sushi | 投稿日時: 2003年11月25日 17:12 | 他サイトからのリンクWhant casino at home? Go to online casino games at http://online-casino-games-000.net!!!
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