みんなでエコ社会 “エコ交通プラン”支援の輪

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東京新聞

 観光都市・京都の市民らが、街の中心部からマイカーを閉め出す“エコ交通プラン”を提案し、実現のための働きかけを進めている。地球温暖化の防止を目指す京都議定書が一九九七年に結ばれたのがきっかけで、二酸化炭素排出量の削減のため都心の交通量を減らそうと考え出されたが、景観の保全やバリアフリーにもなると、地域の商店主やまちづくりグループにも支援の輪が広がっている。 (竹上 順子)

■京都で商店主ら働きかけ

 広々とした歩道は幅七・八メートル。店のディスプレーを見ながらのんびり歩いても、急ぐ人の邪魔になる心配はない。街路樹の下に置かれたベンチでは、お年寄りが一休み。車道を通るのはバスとタクシーだけなので騒音や排ガスも少ない−。

 これは、市民らでつくる「京(みやこ)のアジェンダ21フォーラム」の交通ワーキンググループ(WG)が提案する都心の姿。一般車両の通行を制限し、公共交通と歩行者、自転車に道路を開放する「トランジットモール」と呼ばれる方式だ。

 モデルとした地区は、中心部の河原町通と四条通の商店街で、道幅は各二十二メートル。提案では、車道を現在の幅十六メートル四車線から六・四メートル二車線に減らし、歩道を広げる。通行できる車はバスとタクシー、共用の流通車両だけにして、タクシー停車帯や十分な自転車駐輪場をつくり、車や人の通行の邪魔になるものは極力なくす=図参照。

 「車を通らせないなんてむちゃだという声もあるが、今でも河原町通と四条通は幹線道路として機能していない」と話すのは、メンバーで環境デザイナーの恩地惇さん。二〇〇〇年の同WGの調査では、四条通の日曜日の歩行者数は一時間に約七千人。一方、自家用車では、道の両側に並ぶ駐車車両や客待ちタクシーのため動けず、約千人しか移動していなかった。

 「歩道も狭く混雑しているため、アンケートでは『できるだけ早く抜け出したい』と答える人も多かった。通り沿いの商店にとっても損失です」と恩地さんは話す。京都では最近、町屋巡りなど都心の人気が高まっているが「現状では、街を歩く楽しさを提供できていない」と残念がる。

 同WGはこれらの調査などを基に二年前、改革プランを作成。市民にPRしたり、意見を募ったりしてきた。

 調査では、放置自転車が歩行者の邪魔になっていることも分かり、同WGが期間限定で駐車場を借りて駐輪場を増やす実験をし、有効性を実証した。今月中旬にはトランジットモールのイメージ模型を市内で展示し、市民にPRした。

 「京都といえば周辺のお寺が紹介されるけど、中心街の魅力を取り戻したい」と、同フォーラム事務局の能村聡さん。次はデッキを置いて仮設歩道を造り、車道を狭めて車の通行を制限する実験をするのが目標だ。

 京都市の環境政策部はこのプランについて「温暖化防止の観点から支援していきたいが、実現には地元の商店街の同意をもとに市の関係部署や警察などの調整が必要なので、まず地域から声を上げてもらいたい」と地域住民の意見調整が先決だと強調。

 地元商店街振興組合のある役員も「いいアイデアだけど、受け手が自分たちの身の丈にあった計画に作り直していかないと、つまずいてしまう」と話している。

 国土交通省もトランジットモールの導入を推進し、国内外の事例やノウハウなどを紹介したり、実験費を支援したりしている。取り組みを表明している自治体や商店街は現在、全国で六カ所。那覇市の国際通りでは昨年中に三回(計五日間)、商店街振興組合連合会が実験をした。

 この時は、商店街の一・六キロ区間をトランジットバスだけが運行し、道の主役は人と自転車に。その結果、排ガスによる二酸化窒素が通常の週末より大幅に減ったほか、歩行者が増えたため商店街の約三割の店舗で、いつもより売り上げが上がったという。

 今年も同様の実験をするが、新たな取り組みとして近くに七カ所の駐車場を借り、そこで商店への荷物の仕分けなどをしてもらうという。実行委員会事務局長の比嘉司さんは「沖縄でも郊外の大型店が増え、商店街への地元のお客さんは減ってきている。トランジットモールの本格導入で、街のにぎわいを取り戻したい」と話していた。

投稿者: @sushi | 投稿日時: 2003年11月25日 16:24 | 他サイトからのリンク
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