商機をつかむ:環境事業の展望 ヤマハ発動機

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 □日本本部エクスレルムグループ総支配人 杉井清久氏

 ■電動式に手応えあり 環境配慮型スクーター開発

 ヤマハ発動機は電動スクーター事業に手応えを感じている。出展各社の環境対応がクローズアップされ、今月上旬まで開かれた東京モーターショーで“エコバイク”展示コーナーを設置、来場者からまずまずの反応を得たからだ。電動式は機能面でエンジン式に劣るとはいえ、速さを求めない女性層などに受け入れられる機運があり、これをてこに購入者層が広がると期待する。音色が出る電動スクーターの企画立案を担当した日本本部エクスレルムグループ総支配人の杉井清久氏は、市場開拓に自信をみせている。(佐藤克史)

 ◆音色を奏でる

 −−電動スクーターが注目を集めている。

 「ヤマハ発は環境配慮と新規顧客獲得の二つの側面を考えている。実はいま、二輪車免許取得者のうち一%しか二輪車を保有していないという現状がある。このため、製品は一部の“マニア”を対象にしたものになってしまい、残りの九九%の人が購入しづらくなっている。二輪車保有者を増やすためには好みにあった製品を作る必要があり、電動タイプもこの考え方の延長線上にある」

 −−環境配慮と事業拡大がうまくかみ合った。

 「電動スクーターの場合、割高感もあるので一概にその通りとはいかないが、そういう見方もできる。今回の見本市では、風の音など運転操作に応じた音色をシート下のスピーカーやハンドル内にあるスピーカーから発する新型電動スクーター『ドルサウィンド』を出展し、走る楽しさに加えて音を奏でる楽しさも前面に打ち出した。この新しい製品コンセプトは環境配慮型製品の電動式だからこそできたわけで、好例と評価している。来場者のなかでも若い女性に人気があり、電動スクーターの広がりを感じた」

 ◆すそ野広げる

 −−音色を奏でるとはユニークだ。

 「時速三〇キロ程度を想定している電動スクーターは、視界も広がり操縦時に多くの情報量を得やすいという特徴がある。この点をベースに、ゆっくり走る楽しさを追求した結果として音色というコンセプトが生まれた。だから、速さなどを追求したいわゆる“かっ飛び系”エンジンバイクとはまったく違う価値観を持つ消費者に支持されると考えている。販売手法もこれまでとは別形態となり、新たなビジネスモデルを構築する必要もあるだろう。このことが事業のすそ野を広げることに結び付くはずだ」

 −−環境コンセプトも広がる。

 「価値観は多様化しており、これに合わせて二輪車を作ることも重要。環境という切り口で開発が進んだ電動式もその一つとしてとらえるべきだ。均一的な価値観が若い世代を中心に崩壊していることを考慮すると、メーカーがこれから生き残るためには、どんな価値観があるかを考え、または価値観を作り出し、そこではどういう製品が受け入れられるかを想定して作る創造力が重要になる。電動スクーターは、楽器も含めたヤマハグループに共通的な課題を教えてくれたと言っても過言ではない」

 《すぎい・きよひさ》 39歳。群馬大工学部修士課程修了。89年ヤマハ入社。02年ヤマハ発動機に出向し、現職に。静岡県出身。

投稿者: @sushi | 投稿日時: 2003年11月15日 22:14 | 他サイトからのリンク
この投稿へのコメント

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