食品衛生●タイではO-157が問題にならない訳がある

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先端技術情報センター: Food Scinece

9月末、ABCキルトJAPANというNGOのスタディツアーでタイ北部のチェンマイ、チェンライに行ってきました。グループにはJAICAでタイ環境庁に3年滞在していた人やタイに数10回行っている人、現地で応援してくれるタイ人のNGOや運転手さんがいて、美味しい店を見つけてくれます。そんな美味しい店を訪ねて、日本の食品衛生事情を振り返ってみました。

屋台やフードコート、町の食堂でよく食べました。地元のタイ人は、日本人観光者が頻繁に行く店は高いし美味しくないと言って行きません。屋台はあまり綺麗じゃありませんが、これまでの経験から、不安に思ったことはありません。

衛生的な安全さと見た目の清潔さは違います。我々は、衛生的で危険の少ない物を選んで食べています。加熱が十分行われて、料理されて直ぐに食べるものです。作り置きの物は極力避けています。香辛料を効かせて、素材は新鮮な野菜や魚、卵です。何よりお客の多い回転してる店を選びます。そんな店は、食材も豊富です。

日本人ツアーでは、「タイの屋台は不潔だから行くな」と止められています。指定のホテルやレストランだけで食事をします。そこは見た目清潔です。しかし、お腹を壊したという話しはよく聞きます。日本人はどこでもすぐ刺身を要求しますし、団体さんの食事は、料理が直ぐに出てきます。そのために作り置きをしているのです。そりゃ危ないでしょう。

日本では、魚を生で食べる文化があります。綺麗で豊富な水があり、長く魚を生食している歴史があるからです。一方、大陸の食文化は油の高温を利用する、よく煮込む料理、香辛料を使う料理です。それは、水の悪さや高い気温等の環境の中で病原菌のリスクを避けるためです。

細菌性食中毒の予防3原則は、「細菌をつけない」「細菌を増やさない」「細菌を殺す」です。屋台で食べても細菌を殺して、細菌を増やさないうちに食べれば安全です。

タイでは、病原性大腸菌O-157は問題になっていません。それは、日常の食生活が関係しているのだと思います。

まず、タイ社会には殺菌された冷凍食品や加工食品は、あまり多くありません。野菜などの多くの食材をその場で料理して早く食べる。こうすることで、様々な菌がお腹に入ります。すると、腸内フローラ(腸内微生物の組成)が豊かになり、単一の菌のみが異常繁殖できなくなります。そのため病原性大腸菌O-157も異常繁殖しなくなり、人体に影響も出なくなるのではないでしょうか。

O-157は、文明病で食生活の貧困さが招いたものとも言えます。現在日本では、食品衛生は菌を殺すことに重点を置いています。無菌状態でいったん汚染があると、対抗する菌がいないため菌が爆発的に増殖し、より危険性が高まることにつながります。

ミクロフローラの考えを取り入れて、病原菌の発育をほかの微生物で制御することを知ることが大切です。昔から食べていた食品、日本の風土に合った納豆や漬け物(糠漬け)などの食品を見直すことが必要と思います。

タイの食事は、コメ、コメ加工品、麺類などの穀類、野菜、豆類、木の実、果物が多く、比較的動物性食品が少なく、1回の食事で摂る食材の種類が非常に多いことに特徴があります。今、アジア式料理が見直されて米国の学者たちが「健康で過ごすために、アジア式食生活を」と提唱しているそうです。(食品衛生コンサルタント 西村雅宏)

投稿者: @sushi | 投稿日時: 2003年11月11日 19:15 | 他サイトからのリンク
この投稿へのコメント

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