町内1箇所の「ごみステーション」。住民が自らここにごみを持ち寄る。専属職員も配置されている。収集ごみの、実に79%が資源化されている。
徳島県上勝町(かみかつちょう)議会において、2003年9月19日、「上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言」が採択された。これまで数多くの自治体が「ごみゼロ」をスローガンに掲げてきたが、こうした趣旨の宣言が議会で決議されたのは日本で始めてである。全国的に注目を浴びたこの宣言から1ヶ月。どのような具体的な取り組みがなされているのであろうか。
徳島県に位置する上勝町は、人口約2200人、65歳以上のお年寄りが4割を超え、過疎化、高齢化がすすむ日本の典型的な農村といえる。しかしながら、自分たちの町に自信を持って暮らしていく定住意欲の強い、質の高い住民づくりを目的とした「1Q(いっきゅう)塾」(注)を通じたまちづくりを行っている。
今回、上勝町が「ごみゼロ宣言」を出すきっかけとなったのは、環境NGOグリーンピース・ジャパンの働きかけである。グリーンピースは、世界的にゼロ・ウェイスト政策を推進しており、グリーンピース・ジャパンでも、今年7月からは日本全国の自治体にゼロ・ウェイスト宣言を働きかけるキャンペーンを行ってきた。この一環として、7月中旬に、上勝町で、「脱焼却、脱埋め立て」と題した講演会を開催し、笠松和市上勝町長のイニシアティブもあって、約2ヶ月で「ごみゼロ宣言」が出された。
この「ごみゼロ宣言」と共に出された「ごみゼロ行動宣言」では、具体的に町内の焼却処理及び埋め立て処理を2020年までに全廃するとし、拡大生産者責任に基づいた法律や条例の改正も求めている。
上勝町では、すでに徹底したごみ分別を行ってきている。2001年には、町内に「ごみステーション」を設置。住民が各自ごみを持ち寄り、分別回収を行っている。分別数は何と、34種類にものぼる。ステーション専属職員が分別方法を指導するほか、自分でステーションにごみを持ち寄ることのできない高齢者世帯などのために、「GO美レンジャー」と呼ばれる住民ボランティアが直接世帯を廻り、回収する活動も続けられている。
さらに、生ごみは町から各家庭に配布された処理機により堆肥化されているため、大幅に焼却ごみを減らすことにも成功した。こうした努力により、現在ステーションに持ち込まれるごみの実に79%が再資源化されている。現在、焼却・埋め立てごみは町外に処理を委託しているため、これをゼロにすることは町財政の節約にもつながる。
企業の工場でもゼロ・エミッションを実現したケースはいくつもあるが、上勝町が始めた自治体初の完全なごみゼロへの挑戦に大いに期待したい。
(注)1Q塾(いっきゅうじゅく)
町職員および住民を対象とした学習会。現状を的確に把握し、課題を整理し、円滑に取り組みを進めるうえでの、技法や知識を学ぶ。個々人の自発性・主体性と、集団としての問題解決能力を高めることを目的としている。
(参考URL)上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言及び行動宣言
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/toxics/zerowaste/localgov/kamikatsu_html
日付
2003-11-05
筆者
廣瀬 稔也
媒体
寄稿
団体名
容器包装リサイクル法の改正を求めるごみ研究会
URL
http://www.citizens-i.org/reuse/
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